【結婚って何?#番外編】NHK「夫婦の起源」ジャレッド・ダイアモンド
結婚について、考えるうえで興味深かったので紹介。
2018年11月現在、NHKで放送中の「ダイアモンド博士のヒトの秘密」という番組をご紹介。
ジャレッド・ダイアモンド博士。
ジャレド・ダイアモンドさんは1937年ボストン生まれの
生理学者、進化生物学者、生物地理学者。
現在はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の
地理学の教授。1998年ピュリッツァー賞を受賞。
現在第6回まで放映されておりますが、折り返しに差し掛かっています。
進化学の分野において地位の高い方ですが、昨今の 「脱・ダーウィンの進化論」の観点からすると「自然淘汰・性淘汰・ハンディキャップ淘汰で進化してきた」という理論等少し古くさい理論が多いなと思います。
<ダイアモンド博士の考える結婚>
●動物の雄雌の関係
●子育ての観点
基本的に子育てをするオスは生物は少ない。
しかし、人間のオスを子育てする。
●身体的特徴から見る
ハーレム(一夫多妻型)
ゴリラ・・・オスはメスの2倍も大きい
モノガノミー(一夫一妻)
テナガザル・・・オスとメスはほぼ同じ大きさ
人間は一夫一妻に近い。
理由は子どもの生存率を上げるために、食料獲得と子育ての分業がベースになっていると思われる。
●浮気の原理
浮気は一夫一妻の生物でも起きている。
DNAバーコードの調査によると、一夫一妻の鳥類において、1つの巣の中で夫以外のオスの子供が占める割合は30%~40%である。
人間の場合は5%。これを科学により避妊が可能になったためで、性行為の割合ではない。
●なぜ人間の排卵日はわからないのか?
人間の排卵期がなぜわかりづらいように進化したかは諸説ある。
厳密には分かっていない。
ー自分の子どもの父親をあいまいにし、たくさんのオスの助けを得るため説。
ー父親がずっと一緒にいないと自分の子孫を残せないと縛るため説。
ーセックス後に自分の元離れるのを防ぐ説
●ジャレッド博士の性に対するスタンス
ー浮気に対する罪悪感は文化的感情?生物的感情?
これは文化的感情。
人は社会を形成した時から、生物化学的進化を超えてきた。
本能と社会を天秤にかけてきた。
社会の変化は進化よりもスピードが高い。
社会的にNGであることに対するモラルが作用して、罪悪感を感じる。
これが人間である。
個人の感想と批評
ダイアモンド博士は睾丸のサイズがその生物の生殖活動にどう影響しているかに着目したことで有名な人。
人間に近いボノボやチンパンジーは、夫婦といった社会構造に関係なく性交をするため、睾丸が大きい。
ゴリラはハーレムを形成し、メスが他のオスに取られる可能性が低い。
メスの繁殖期をほぼ独占できるため、体は大きいのに、睾丸は豆粒ほどしかない。
人間は睾丸の見地からすると完全にボノボやチンパンジーと同類だ。
つまり、どのオスもどのメスも性交の機会に溢れている。
…あれ?現代社会の我々と異なりますね? 笑
ジャレッド博士は実はこういった「乱婚」を説いた人なのに、「人間は一夫一妻の生き物」と説いており自己矛盾をしている。
今後、どういった議論が展開されるのか楽しみだ。